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EAT治療について

日本の耳鼻咽喉科診療において、伝統的な「処置による治療」があります。

最近の日本においては耳鼻咽喉科診療の「欧米化」が進み、薬を患者さんに服用してもらう診療が中心になって処置はしない傾向に向かっています。

そういった中で内科医の堀田修氏が慢性腎炎の中で日本人に一番多いIgA腎症に対して上咽頭に対する塩化亜鉛処置が有効だという大きな発見をしました。

腎疾患のならず皮膚や他の全身疾患に対してこの処置が有効だということで、堀田氏が多数の著書を発刊したことにより、この処置は現在マスコミなどを通じて広く世間に知れ渡りました。

風邪でウィルスが一番最初に攻撃してくるのが鼻の奥の突き当りに当たる上咽頭であって、そこに塩化亜鉛処置をすることによって風邪は速やかに治ることが経験としてわかっています。また、風邪や気管支炎などが慢性に長引いた時もこの処置によって速やかに快方に向かう事実があります。

日本の耳鼻咽喉科で行われて来た伝統的なこの処置は、この治療を過去に広めた功績者の一人である堀口申作先生が「B spot治療」と命名し、広く知られて来ましたが、現在となっては、国際学会で発表する場合に必ずしも適切ではないと思われ、耳鼻咽喉科医の田中亜矢樹氏がEATと命名しました。

EATはEpipharyngeal Abrasive Therapyの略で「上咽頭擦過治療」=「上咽頭を擦る治療」という意味です。EATは内視鏡を使用しながら可視下で行うと、さらにその効果は上がりますがその場合はE-EAT: Endoscopic-Epipharyngeal Abrasive Therapyと命名されました。

従来使われて来た「B spot治療」という言葉は、イメージとして「spotに塩化亜鉛を塗布する」という意味にとられることがあります。

しかし塩化亜鉛処置はその効果を上げるには「綿棒または咽頭倦綿子で上咽頭粘膜を強くしっかり擦る」ということが重要であるということが堀田医師や田中医師の業績を中心とした最近の知見でわかりました。

そこで、当院ではこの内視鏡を使用するE-EATを基本に上咽頭処置を行っています。

EATは医師によって処置方法が異なります。鼻から処置をした後に喉側から咽頭倦綿子を使って「グリッと」処置をする方法が多いのですが、患者さんによっては喉側からの処置を恐怖に感じる方も多いので、当院では鼻からの処置で十分な効果が得られる場合は喉側からの処置は行わない方針です。